その街に住み続ける。それとも引っ越す。はたして何人がどんな決断をしたのか、リアルなデータを元にしたランキングを紹介します。
よくあるようなアンケートによるランキングではありません。一部の人の声だけ集計しているのではなく、しっかりした統計データを元にしています。東京23区・市町村のリアルな住みやすい街・住みたくない街ランキングが分かります。
住みやすい街ってどんな街?
住みやすい街には人が集まる
そこが住みやすい街であれば、住民は引っ越して外に出ようとは考えません。街の雰囲気が良い・自治体のサービスが良いなど暮らしやすい街であれば、他の地域の人が引っ越してきます。つまり人口が増えていきます。
「住みやすい街」の定義は人それぞれ。住居費が安い、治安が良い、災害に強い、会社に通いやすい、子育てしやすい、一人暮らしに便利、、理由は人それぞれですが、多くの人が住みやすいと感じる街には人が集まってきます。
東京都 総務局 統計部では東京都の統計で市区町村ごとの人口増減を発表しています。このデータを元に人口が増加している街=住みやすい街としてランキングします。
住みやすさランキングで使うデータ
人口増減の要因は2つに分けられます。
1つめは、人が産まれたり死んだりすることによる人口の増減(自然増減)です。これはそこが住みやすい街かどうかとは関係なく起こることです。なのでランキングには使用しません。
2つめは、引っ越しによる人口の増減(社会増減)です。これは人の意思によって起こることです。そこが住みやすい街かどうか考えてみんな住む場所を決めます。なので住みやすさを計るデータとして使用します。
さらにその中でも東京都内から都内へ引っ越した人口のみを使用します。
東京以外から引っ越してきた人は、通学・就職・転勤など必要に迫られて引っ越してきた場合が多いと考えられます。東京のことをあまり知らない可能性が高いです。その人が選んだ街がほんとうに住みやすい街なのかは疑問です。
いっぽう都内から都内へと引っ越した人は、なんらかの意思があって東京都の中で引っ越した人です。その決断には街の住みやすさが考慮されていると考えられます。なのでこのデータのみを使用します。
※転勤による転出はその人の意思と関係なく起きますが、どの地域でも平等に起こる・ランキングの順位には影響が無いという前提です。
東京 住みやすい街ランキング
調査対象期間は2014~2018年の5年間です。人口が何人増えたのか、何%増えたのか、2つの観点から人口増減をはかり住みやすい街かどうか調べます。
5年間の人口増減の平均を「人口増減 人数」「人口増減 割合」の列に記載しています。「住みやすさ」の列は2つの偏差値の平均です。この数値をもとにランキングしています。
ザックリいうと「住みやすさ」の数字が大きいほど、多くの人が集まってくる住みやすい街だということです。平均的な街だと住みやすさは50です。
人口 (万人) | 人口増減 人数(人) | 人口増減 割合(%) | 住みやすさ (偏差値平均) | |
---|---|---|---|---|
中央区 | 16.2 | 1750 | 1.2 | 76 |
足立区 | 68.1 | 1817 | 0.3 | 65 |
日の出町 | 1.7 | 180 | 1.0 | 64 |
奥多摩町 | 0.5 | 47 | 0.9 | 62 |
千代田区 | 6.4 | 414 | 0.7 | 62 |
板橋区 | 57.9 | 1256 | 0.2 | 60 |
葛飾区 | 45.3 | 978 | 0.2 | 59 |
檜原村 | 0.2 | 14 | 0.7 | 58 |
狛江市 | 8.3 | 383 | 0.5 | 58 |
江東区 | 51.6 | 918 | 0.2 | 58 |
北区 | 35.2 | 755 | 0.2 | 57 |
小平市 | 19.5 | 495 | 0.3 | 56 |
日野市 | 18.9 | 439 | 0.2 | 55 |
昭島市 | 11.2 | 309 | 0.3 | 55 |
清瀬市 | 7.5 | 203 | 0.3 | 54 |
西東京市 | 20.4 | 358 | 0.2 | 54 |
武蔵村山市 | 7.2 | 175 | 0.2 | 54 |
東久留米市 | 11.6 | 244 | 0.2 | 54 |
あきる野市 | 8.0 | 170 | 0.2 | 53 |
調布市 | 23.8 | 289 | 0.1 | 53 |
立川市 | 18.1 | 238 | 0.1 | 53 |
大田区 | 73.5 | 395 | 0.1 | 53 |
墨田区 | 26.7 | 225 | 0.1 | 52 |
東村山市 | 15.0 | 161 | 0.1 | 52 |
東大和市 | 8.5 | 107 | 0.1 | 52 |
品川区 | 40.5 | 218 | 0.1 | 51 |
練馬区 | 73.6 | 240 | 0 | 51 |
瑞穂町 | 3.3 | 19 | 0.1 | 50 |
多摩市 | 14.8 | 32 | 0 | 50 |
青梅市 | 13.5 | 10 | 0 | 50 |
中央区
1位は中央区です。超都心の中央区。オフィス街のイメージが強いですが人口がどんどん増えています。人口の東京一極集中の中心地ともいえる地域です。都内から引っ越してくる人で毎年1750人、1.2%人口が増えています。
足立区
2位は足立区です。治安が悪いイメージがありますが、実際はそうでもない地域もあります。家賃相場の安さもあって、穴場だと思う街ランキングで北千住が1位になるなど注目が高まっています。都内から引っ越してくる人で毎年約1800人、0.3%人口が増えています。
日の出町
3位は日の出町です。西多摩のほう、八王子の北にあります。人口約2万人の小さな街ですが、実は東京都に住んでいる人がたくさん引っ越してきています。都内から引っ越してくる人で毎年180人、1%人口が増えています。
東京 住みやすい街マップ
住みやすい街ランキングを地図上で色分けすると↓のようになります。青→白→赤になるほどランキングが高い地域です。(画像クリックで拡大します)
中央区を中心とした東京駅に近いエリア、足立区をはじめとする23区の北エリア、日の出町などがある町村エリア。3つが都内からの引っ越しで人口増加しているエリアだと分かります。
東京 住みたくない街ランキング
住みたくない街ってどんな街?
逆に東京の人が住みたいと思わない街はどこなのでしょうか。これは「住みやすさ」が小さい=人口増減のマイナスが大きい街であると言えます。
都内から都内への引っ越し。近い距離にもかかわらず引っ越して出ていった人が多い街だからです。住みにくい・住みたくない街と感じる何かしらの理由があったと考えられます。
東京の住みたくない街をランキングすると↓のようになります。
人口 (万人) | 人口増減 人数(人) | 人口増減 割合(%) | 住みやすさ (偏差値平均) | |
---|---|---|---|---|
新宿区 | 34.7 | -3400 | -1.0% | 14 |
府中市 | 26.3 | -1561 | -0.6% | 31 |
豊島区 | 30.0 | -1041 | -0.3% | 38 |
八王子市 | 57.7 | -1173 | -0.2% | 39 |
福生市 | 5.8 | -323 | -0.6% | 40 |
港区 | 25.7 | -680 | -0.3% | 41 |
羽村市 | 5.5 | -261 | -0.5% | 41 |
杉並区 | 58.0 | -876 | -0.2% | 42 |
台東区 | 20.6 | -537 | -0.3% | 42 |
中野区 | 33.9 | -677 | -0.2% | 42 |
目黒区 | 28.6 | -598 | -0.2% | 43 |
渋谷区 | 23.2 | -518 | -0.2% | 43 |
江戸川区 | 69.4 | -648 | -0.1% | 44 |
小金井市 | 12.5 | -300 | -0.2% | 44 |
武蔵野市 | 14.8 | -265 | -0.2% | 45 |
町田市 | 43.4 | -422 | -0.1% | 45 |
国立市 | 7.5 | -154 | -0.2% | 46 |
国分寺市 | 12.7 | -169 | -0.1% | 46 |
三鷹市 | 19.1 | -196 | -0.1% | 47 |
文京区 | 23.1 | -82 | 0% | 48 |
荒川区 | 21.8 | -72 | 0% | 48 |
世田谷区 | 93.1 | -7 | 0% | 49 |
稲城市 | 9.1 | 5 | 0% | 49 |
東京23区 意外と住んでよかった街
東京外から引っ越してくる人が集まる街ランキングは、さきほどのランキングと傾向が大きく違います。つまり、東京外の人が「住みやすそう」と思う街と、実際に東京の人が「住みやすい」と思う街は違うのです。
東京外の人からみると住みたくない街だけど、実際に住んでいる人はその街が気に入っていて引っ越さない。そんな、東京外と東京人とでギャップの大きい街、意外と住んでよかった街 東京23区ランキングを紹介します。
東京外 | 東京人 | 差 | |
---|---|---|---|
葛飾区 | 31位 | 7位 | 24 |
足立区 | 23位 | 2位 | 21 |
北区 | 29位 | 11位 | 18 |
板橋区 | 18位 | 6位 | 12 |
荒川区 | 35位 | 33位 | 2 |
1~5位まで全て、東京23区の北側にある区です。ほとんどが東京都と埼玉県との県境にならんでいる区です。この地域は東京外の人からみると魅力を感じづらいですが、いざ住んでみると暮らしやすい街と感じる人が多いといえます。
東京23区の北側は家賃相場が安い地域です。にもかかわらず都心まで近くて利便性が良いです。家賃相場と利便性のバランスを考えるとお得なので、多くの東京人が住み着いていると考えられます。
知名度が高い街が少ないのも特徴です。誰しも全く知らない・どんな街かイメージすらできないような街に引っ越すのは不安です。なので実際には住みやすい街なのに、東京外の人は避けてしまっていると考えられます。
ネット上には詳しいランキングを紹介しているサイトがあります。お子さんの将来も見すえて住む地域を考えたい人は↓のランキングも参考になります。学区ごとの年収平均が載っているので、小学校ごとの学力の高さを推測できます。
ベスト1はすぐ見ることができます。2位以降のデータを見るには会員登録が必要です。名前・メールアドレス・住所などの入力が必要ですが、1分程度で完了します。登録は無料です。
会員登録するとさらに「東京23区 駅ごと 認可保育園の待機児童が少ない駅ランキング」も見れるようになります。お子さんの将来のため、今ひと手間かけてみてはいかがでしょうか?
子供が大きくなったらマンション狭くなるかも・・住み替えを考えざるをえない時がくるかも・・そんな不安への備えは、あなたのマンションの資産価値を知ることです。
住み替え=引っ越し。お子様の交友関係を大切にするなら、ご近所や学校の友だちとの別れの影響が少ない時期を選びたいですよね? 人生の中で住み替えやすいタイミングって実は数少ないのです。
資産価値の推移・相場観を知れば家族みんなのライフプランが立てやすくなります。もし住み替えるなら子供が中学生になるとき。このマンションは売ったら○万円くらい、じゃぁ○万円貯金しよう。どんな人生にするか具体的に考えられます。備えあれば憂いなしです。
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まとめ
東京に住んでいる人が移り住む先として選んだ街がどこかランキングしました。実際のデータによって裏付けされた住みやすい街・住みたくない街、落ち着いて住める街を探している人は参考にしてください。
マンションくらし研究所では東京23区のさまざまなランキングを紹介しています。統計データを元にしているので東京の街のリアルを正しく知ることができます。あわせてご覧ください。