周りのみんなは年収いくらもらっているんだろう。あそこの業界は年収いくらなんだろう。働くからには気になるのが給料のことです。普通の年収とはいくらなのか知っておきたいです。
国税庁が発表している統計を元に、日本の平均年収を紹介します。男女別・企業規模別・業界別の平均年収と比べることで、あなたの年収が多いのか少ないのか、どの業界が給料が高いのかを知ることができます。
日本の平均年収
平均年収の金額
財務省 国税庁では民間給与実態統計調査を発表しています。一定金額以上の給料をもらった人が納めるべき税金。それを管轄している国税庁による統計です。
納税額は年収によって変わります。収入を得ている人や給料を払っている会社は、その金額を国税庁に正しく申告しなくてはいけません(虚偽の申告は脱税行為になります)。そんな国税庁が発表している統計は、一般のアンケートとは違いリアルなデータを元にした統計だといえます。
このデータによると日本の平均年収は420万円(2015年)です。老若男女、いろいろな業界、全体の平均です。あなたの年収と比べると多いでしょうか?
平均年収の推移
日本の景気はなかなか良くならない、そんな風に感じている人もいます。景気の良し悪しに影響をうける年収。どのように変化しているのでしょうか?2008~2015年の平均年収の変化をグラフにすると↓のようになります。
引用元:国税庁 民間給与実態統計調査
平均年収は400~430万円のあいだで推移しています。あまり大きな変化はありません。上昇下降の傾向も見えません。景気の変動があっても年収は急激には変わらないことが分かります。
年齢・男女別の平均年収推移
ひとことで年収といっても、働いている人の状況によって大きく変わります。大きな差が出やすい要因のひとつが性別です。男性は社会人になってから定年までフルタイムで働き続ける人が多いですが、女性は結婚や子育てにより時短やパートタイムで働く人もいます。
年齢によっても年収に大きな差が出ます。新入社員とベテラン社員では年収が大きく違います。そこで男女の平均年収について、年齢が進むごとにどのように変化するのか調査します。それをグラフで表すと↓のようになります。
男性の年収は年齢が進むごとにどんどん高くなっていき、50代前半で一番高くなります。そしてピークを越えると定年に向けて下がっていきます。定年後も働く人もいますが、雇用形態が嘱託社員であるなど給料が安くなるので年収はグッと下がります。
平均年収は、20代前半271万 → 30代前半451万 → 40代前半567万 → 50代前半670万 → 60代前半479万というように推移していきます。
女性の年収は20代後半までは増えていきますが、その後は横ばいになっています。では女性は男性と比べて給料が低いのかというと一概には言えません。
例えば結婚して子供を持った女性には働き方の選択肢が多数あります。フルタイム残業ありの正社員、残業の少ない派遣社員、パートタイムなどです。時間制約がある働き方だとそのぶん年収は低くなります。なので女性全体の平均年収は低く見えてしまいます。
平均年収は、20代前半233万 → 30代前半307万 → 40代前半294万 → 50代前半296万 → 60代前半220万というように推移していきます。
企業規模別の平均年収
大企業は給料が高い、そんなイメージを持っていませんか?大企業であれば仕事の規模も大きくて利益も大きい、そのぶん給料も高そうですよね。では企業規模が違うと年収は具体的にいくら違うのでしょうか?
先ほどと同じように、企業規模ごとの平均年収が年齢とともにどう変化するのか調査します。企業規模を計る基準は資本金の額とします。グラフで表すと↓のようになります。
資本金の多い企業ほど年収が高いという結果になりました。大企業は給料が高いというイメージ通りです。いっぽう年収のピークが50代前半近くという傾向は似ています。企業規模に関わらず年齢による給料の増減傾向は似ています。
資本金が10億円以上の企業だと、平均年収は20代前半276万 → 30代前半513万 → 40代前半616万 → 50代前半729万 → 60代前半440万というように推移していきます。
それと比べて資本金1~10億円の企業は、20代前半~40代前半はマイナス15%、40代後半~50代後半はマイナス25%となっています。資本金0.5~1億円の企業だと20代前半~40代前半はマイナス25%、40代後半~50代後半はマイナス35%です。年収のピークが近くなるほど差がより大きくなる傾向があります。
業界別の平均年収
業界別年収ランキング
企業によって平均年収が大きく違うことが分かりました。さらに気になるのは業界による年収の違いです。あの業界は給料が高そうだ、そんなイメージありますよね。
そこで業界ごとの平均年収を調査します。平均年収が多い順に業界をランキングすると↓のようになります。業界は日本標準産業分類に沿って分類しています。
業界 | 平均年収(万円) |
電気・ガス・水道 | 715 |
金融・保険 | 639 |
情報通信 | 575 |
研究・専門サービス・教育 | 501 |
製造 | 490 |
建設 | 468 |
複合サービス | 425 |
不動産・物品賃貸 | 424 |
運輸 | 414 |
医療・福祉 | 388 |
卸売・小売 | 358 |
サービス | 345 |
農林水産・鉱業 | 306 |
宿泊・飲食 | 236 |
平均年収が高いベスト3は電気・ガス・水道業、金融業・保険業、情報通信業という結果になりました。平均年収と比べて35%以上も高い業界です。
給料が高い業界で働いていれば将来にわたって安泰でしょうか?働く上ではその業界が将来にわたって成長していくのかも気になります。そこで業界の成長率と年収の関係を調査します。
ここでは業界の成長率は従業者数の増減で計ります。働く人が増えている=仕事が増えている業界と考えることができるからです。横軸を従業者数の増減割合(2008~2015年の平均)、縦を平均年収とすると↓のようになります。
引用元:国税庁 民間給与実態統計調査
平均年収が1番高い電気・ガス・水道業ですが、従業者数は毎年5%減っています。電気・ガス・水道業はもともと従業者数が少ない業界です。新規参入が起きにくい業界構造だからです。そんな中で従業者数が減っているのです。IT化が進むと人手はさらに不要になるかもしれません。
平均年収が全体平均の420万円より高い業界で、従業者数が1番増えているのが情報通信業です。毎年2.5%増えていっています。世の中のIT化やシステム化を担っている情報通信業。将来は全てのモノがインターネットにつながるIoTの世界になるとも言われています。人材が必要なので給料が高くなっていると考えられます。
業界別賃金カーブ
それぞれの業界について、年齢が進むと年収がどのように変化するのか紹介します。全業界の平均と比較して表しています。
電気・ガス・水道業
新規参入が起きにくくて中小企業が少ない業界構造なので、大企業に勤めている人の割合が高いと考えられます。他の業界と比べて平均年収が高く見えてしまっている可能性があります。
金融業・保険業
平均年収が非常に高い業界です。50代前半で775万円にもなります。金融は給料が高そうというイメージを持っている人は多いと思いますが、イメージ通りのようです。
情報通信業
全体平均と比べて年収が高い業界です。その差は30代後半からさらに大きくなっていきます。50代では全体平均の1.5倍にもなります。
研究・専門サービス業・教育
給料が高いというイメージのある広告業はここに分類されています。50代以降であっても年収が減りにくいです。研究や教育の専門的な職業が平均を引き上げている可能性があります。
製造業
賃金カーブは全体平均とよく似ていてほぼ平行になっています。どの年代であっても全体平均より15%ほど年収が高くなっています。
建設業
こちらも全体平均とよく似た賃金カーブになっています。年収のピークは50代前半の558万円となっています。
複合サービス事業
複合サービス事業とは複数のサービスを組み合わせて提供することです。代表的なのは郵便局・協同組合など、金融商品を組み合わせて販売している業界です。
不動産業・物品賃貸業
運輸業
医療・福祉
卸売業・小売業
サービス業
農林水産・鉱業
宿泊業・飲食業
年収をアップさせたい!もっとやりがいのある仕事をしたい!キャリアアップをしたい!という人は専門家に相談してみてはいかがでしょうか?あなたの未来の人生を決めるのはあなた。行動を起こさないかぎり未来は変わりません。
あなたに合ったリアルな求人情報を知ることで、今の社会でどんな経験やスキルが求められているのか具体的にイメージすることができます。あなたの未来にどんな選択肢があるのか、今の仕事がベストな選択肢なのか、肌で感じることができます。
まとめ
平均年収について、男女別、企業規模別、業界別にするといくらなのか紹介しました。働く環境によって年収が大きく違うことが分かりました。自分のやりたい事、収入の多さ、どちらを重視するのかは人それぞれです。どんな人生を送っていきたいのか、求めるライフスタイルに合った仕事選びが大切です。