少子化問題対策のヒントになる?出生率と相関がある意外な要因とは


日本の未来を語るうえで外すことのできない少子化問題。労働人口の減少、経済規模の縮小、税収の減少、社会保障維持の困難などさまざまな影響を及ぼしてしまいます。少子化に歯止めをかける対策は無いのでしょうか?

いま日本で進んでいる少子化。どの都道府県でも同じように少子化が進んでいるわけではありません。地域によって違いがあります。それを読み解けば少子化対策のヒントが見つかるかもしれません。統計データをもとに調査してみます。

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少子化の原因

少子化問題は国にとっても重要な課題です。内閣府が特命担当大臣として少子化対策担当大臣という役割をつくるほどです。そんな内閣府では少子化社会対策白書をまとめています。その中で少子化の要因とされているのは主に↓のようなことです。

出生率の低下

出生率(1人の女性が産む子供の数)は、ベビーブームのピークである1973年は2.14でした。しかしその後、右肩下がりに下がり続けて2015年には1.45となっています。ピークと比べて32%も低くなっています。

未婚割合の増加

生涯未婚率は、男女の平均でいうと1975年は3.2%でした。しかしどんどん上昇していき2015年には18.8%にもなっています。既婚の割合でいうと96.8%から81.2%になったということです。16%も減少しています。

晩婚化・晩産化

初婚年齢の平均は、1975年は男性27.0歳、女性24.7歳でした。それが2015年には男性31.1歳、女性29.4歳になっています。それにともなって子供を産む年齢も高齢化しています。

第1子出生時の女性年齢の平均は、1975年は25.7歳でしたが2015年には30.7歳になっています。子供が産まれる頻度が、26年に1度だったのが31年に1度になったということです。16%も少なくなっています。

少子化問題は、当然ながら結婚・出生と大きな関わりがあります。人生の転機でもある結婚と出生。都道府県ごとにどのような違いがあるのか調査してみます。

都道府県別の婚姻率

東京は出会いが多いから・・なんてセリフを聞いたことはないでしょうか?確かに東京は人口が多いので出会いのチャンスが多そうです。はたして人口の多さと婚姻率とは関係があるのでしょうか?

都道府県別の人口と婚姻率との関係をグラフにすると↓のようになります。人口は、20代・30代だけを集計しています。初婚年齢の平均である30±10歳を目安にしています。婚姻率は、1年間に20代・30代のうち何%の人が結婚したかです。


婚姻率と20代・30代人口との関係
引用元:統計局 日本の統計
    統計局 人口推計

人口の多さと婚姻率とは関係が無いことが分かります。人口が一番多いのは東京で、20代・30代は373万人とずば抜けています。しかし婚姻率は4.7%で全国3位、ずば抜けているわけではありません。

婚姻率が一番高いのは沖縄の5.0%です。しかし20代・30代の人口が多いわけではありません。若者人口が多くて出会いが多いから婚姻率が高くなる、ということは無いようです。

都道府県別の出生率

人口の多い都心は子供が少ないというイメージを持っている人が多いと思います。住居費が高いから家が狭くて子供が少ないと考えている人もいます。はたして人口の多さと出生率とは関係があるのでしょうか?

20代・30代の人口と出生率との関係をグラフにすると↓のようになります。出生率は、1年間に産まれた子供の数を結婚した世帯数で割ったものです。1組のカップルが結婚すると子供が何人産まれるかの平均です。


出生率と20代・30代人口との関係
引用元:統計局 日本の統計
    統計局 人口推計

人口が多い都心ほど出生率が低いことが分かります。グラフ中の直線は全体の傾向を表した近似直線です。右肩下がりになっていて、20代・30代人口が100万人増えると出生率が0.1%下がる傾向がみえます。

人口の割に出生率が高いのは沖縄です。沖縄は婚姻率だけでなく出生率も高い、少子化が進みにくい地域だということが分かります。

いっぽう人口の割に出生率が低いのは北海道です。人口が同じくらいの福岡や兵庫は約1.65ですが北海道は1.44となっています。

出生率が高いのは沖縄、低いのは北海道。何かに気づきませんか?あなたの頭にも一つの仮説が思い浮かんだと思います。出生率と暖かい・寒いは関係があるのではないかということです。そこで出生率と気温の関係を調査してみます。

気温と出生率の関係

↓は3年間の平均気温と出生率との関係をグラフにしたものです。


出生率と気温との関係
引用元:統計局 日本の統計
    気象庁

先ほどと同じく、グラフ中の直線は全体の傾向を表した近似直線です。右肩上がりになっていて、年間平均気温が5℃上がると出生率が0.1%上がる傾向がみえます。

統計的な相関係数は0.38、少し相関があるといえるレベルです。全体傾向から大きく外れている東京を除いてみると相関係数は0.46、やや相関があるといえるレベルになります。

つまり気温と出生率には関係があると統計的に言えるということです。暖かい地域は出生率が高く、寒い地域は低いのです。

昔と今を比べて気温が急激に変わっているわけではないので、少子化の原因が気温だということではありません。因果関係と相関関係とは区別しなくてはいけません。今回分かったのは相関関係であり、暖かい地域は少子化が起こりにくいということです。

まとめ

少子化に大きく関係する結婚と出生について、都道府県ごとの比較をしてみました。その結果、暖かい地域は出生率が高く、寒い地域は低いということが分かりました。これは少子化社会対策白書にも書いていないことです。

もし仮に、国が少子化対策特区のようなものを定めることがあるのであれば、暖かい地域を選んだほうが高い効果を期待できるでしょう。

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