少子高齢化が進む日本。将来どうなってしまうのか、どのような変化が起きてきたのかが気になります。その変化の様子を世帯数から見てみます。
世帯の数や1世帯あたりの人数、一人暮らしや夫婦暮らしの割合がどのように変化したのかを調査し、人々の結婚・子供に対する意識がどのように変わったのかを紹介します。
世帯数の推移
2000年~2016年の世帯数の変化をグラフにすると↓のようになります(青い面グラフ)。
引用元:統計局 労働力調査
右肩上がりに増えていることが分かります。2000年は約4700万世帯でしたが2016年には5400万世帯、13%増えています。
1世帯当たりの人数でみると右肩下がりに少なくなっています。1世帯あたり2.7人から2.4人へと減っています。日本の人口は2000年~2016年では増えていません。2000年と2016年を比べるとほぼ同じです。そのなかで世帯数が増えているので、1世帯当たりの人数は減少しているのです。
世帯割合の推移
世帯には一人暮らし、夫婦二人暮らし、夫婦と子供の家族暮らしなどいろいろなカタチがあります。全世帯の中で割合がどのように変化したのかをグラフにすると↓のようになります(数が多い一人暮らし、夫婦のみ、夫婦と子供をピックアップしています)。
引用元:統計局 労働力調査
夫婦と子供が減っていき、一人暮らしが増えているのが分かります。夫婦と子供は39→32%へ減るいっぽう、一人暮らしは36→41%、夫婦のみは25→27%へと増えています。結婚や子供を選択する人が減っているのですことが分かります。その分一人暮らしをする人が増えているので世帯数が増えているのです。
続いて、世帯割合の変化を年代別にみていきます。結婚や子供に対する意識がどのように変化しているのか、年代によって特徴があるかもしれません。
25歳未満
引用元:統計局 労働力調査
ここでいう年齢は世帯主の年齢です。なので25歳未満だとしても実家住まいの人は対象外となっています。25歳未満で世帯主になっている人のほとんどが一人暮らしです。結婚して家庭を持つ人はまだまだ少ない年代です。
25歳~29歳
引用元:統計局 労働力調査
2000年~2016年で大きな変化があったのがこの年代、25歳~29歳です。夫婦と子供は26→20%へと大幅に減っています。夫婦のみも19→18%へと微減です。20代後半で結婚したり子供を持ったりする人が大幅に減っているということです。
家庭に対する意識の変化や社会情勢など、結婚や子供を持つ人が減る背景はいろいろあります。しかし世界一の高齢化や少子化の問題を抱える日本にとって、少子化対策は極めて重大な問題です。解決のためには、20代後半の若者が子供を持ちたいと思えるような社会風土や制度作りが重要なポイントになるでしょう。
30~34歳
引用元:統計局 労働力調査
25歳~29歳と比べると大きな変化はありません。割合の変化に波はあるものの、夫婦と子供は45~48%、夫婦のみは19~21%のあいだで推移しています。結婚や子供に対する意識はあまり変化がないということができます。
35~39歳
引用元:統計局 労働力調査
こちらもあまり大きな変化はありません。夫婦と子供は59%、夫婦のみは16%あたりです。30代以降になると、たとえ時代や社会が変わっても結婚や子供に対する意識に大きな変化は無いといえます。
世帯種別 世帯数の推移
ここで気になるのは「1世帯当たりの人数が減少しているのはなぜ?」という点です。一人暮らしの割合が急増しているようなデータはありませんでした。その理由を探るために、世帯数の変化を、年齢別・世帯種別にみてみます。
一人暮らし
引用元:統計局 労働力調査
70歳以上の一人暮らしの世帯数が急増していることが分かります。2000年は310万世帯でしたが2016年には660万世帯、倍以上にも増えているのです。1世帯当たりの人数が減少しているのは、独居老人が増えているからだということが分かります。
夫婦と子供
引用元:統計局 労働力調査
60代と70歳以上の世帯が増えていることが分かります。2000年には230万世帯でしたが2016年には350万世帯にまで増えています。世帯主が60歳以上ということは、一緒に住んでいる子供は20歳を超えているケースが多いと考えられます。
厚生労働省の発表によると、第一子出産時の母親の年齢平均は約30歳です。仮に世帯主が5歳年上の父親だとすると、世帯主が60歳のとき子供の平均年齢は25歳です。
成人をしても実家を出ずに親と同居生活をする人が増えていると推測できます。
まとめ
世帯数や世帯割合の変化を年代別に紹介しました。年代によって結婚や子供に対する意識がどのように変化しているのかが見えてきました。人それぞれ様々な人生があります。生きかたが違くてもお互いを尊重できるような社会であれば素晴らしいですね。