カジノ法案は大丈夫？東京の治安ランキングとパチンコ店数との関係性

地域の治安の良し悪しをはかる目安としてギャンブル場の多さが考えれられます。カジノ法案によって治安の悪化を心配する人も多いですが、実際にギャンブルと治安に関係性はあるのでしょうか。

東京23区それぞれにパチンコ屋がいくつあるのかをランキングし、治安とどのような関係性があるのかを紹介します。パチンコ屋の数は総務省統計局が行っている調査、経済センサスのデータをもとにしています。

パチンコ屋が多い＝治安が悪い？

パチンコ屋が多い地域は治安が悪い地域だ、という統計や論文は見当たりません。しかしそのようなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。ギャンブル好きな人は事件をおこしやすそうというイメージを持っているのかもしれません。

はたして本当にパチンコ屋の数と治安の悪さは関係があるのでしょうか。実際のデータをもとに分析をしてみたいと思います。また、ギャンブルと関係の深そうな借金についても分析してみたいと思います。こちらは消費者金融のATMの数をつかって分析します。

東京23区にあるパチンコ屋の数を、少ない順にランキングしたのが↓の表です。

引用元：総務省統計局経済センサス
産業別全事業所数(2014年)

いちばん少ないのは文京区です。さすが教育機関や医療機関が多い区ということもあり、4軒しかありません。いちばん多いのは板橋区です。東京23区のなかでは外側にある板橋区。パチンコが好きな人が多い区ということができます。

ギャンブルと深い関係にある借金。パチンコ屋の近くにはたいてい銀行や消費者金融のATMがあります。そんな消費者金融のATM数を、少ない順にランキングしたのが↓の表です。

数が少ない区は、借金をするニーズが少ない、つまり借金をする必要が無いような余裕のある人が多いということができます。いっぽうATMが多い区は、借金が必要な人が多いか、たくさんの人が集まるような場所であるといえます。

パチンコ屋や金融機関ATMの数と、治安の良し悪しには関連性があるのかを分析したいとおもいます。

「パチンコ屋・金融機関ATMの数」の列に、パチンコ屋と金融機関ATMの数を表しています。それぞれの軒数の偏差値を計算してその平均値が少ない順に並べています。偏差値とはざっくりいうと、平均を50として多い少ないを表現しているということです。

「犯罪件数順位」の列は、その区の年間犯罪件数の少なさの順位です。1年間におきた事件の件数が、東京23区のなかで何番目に少ないかを表しています。

パチンコ屋・金融機関ATMの数と、犯罪件数とを比べると、だいたい似たような傾向があることが分かります。

両方とも1位文京区、2位目黒区、23位新宿区となっています。ベスト・ワーストともに同じ順位となっているのです。その他の区についてもだいたい同じような順位になっていることがわかります。つまりパチンコ屋や金融機関のATMが多い地域は事件が多くて治安が悪い地域であるということができます。

パチンコ屋の多さと治安が悪さは関連性があるというイメージがあります。データで検証してみたところ「関連性がある」ということができそうです。

パチンコ屋が多いから治安が悪くなったのか、もともと治安が悪いからパチンコ屋のニーズが高いのかは不明ですが、密接な関係にあることがわかりました。カジノができる地域の住人にとっては、とても心配な結果となりました。

これから家探しをする人は、いろいろな地域を見てまわると思います。治安を気にする人はぜひ、パチンコ屋や消費者金融ATMがあるかどうかを気にしてみてください。