荒川区の治安について詳しく解説します。荒川区をさらに3つの地域にわけて、統計情報にもとづいて治安の良し悪しを紹介します。
日々の暮らしのなかで身近で起きやすいのはどんな事件なのか、どれくらいの犯罪発生率なのか、リアルな情報を知ることができます。
荒川区の犯罪件数
区全体の犯罪件数(事件別)
荒川区で1年間に起きた事件の数を、犯罪の種類別に集計すると↓のようになります。
事件種別 | 発生件数 | 事件の少なさ 東京23区中 |
---|---|---|
殺人 | 2件 | 5位 |
強制性交・わいせつ | 9件 | 2位 |
傷害 | 31件 | 1位 |
暴行 | 88件 | 3位 |
恐喝・脅迫 | 15件 | 4位 |
強盗 | 6件 | 7位 |
侵入窃盗・空き巣 | 75件 | 1位 |
非侵入窃盗 置引き・車上狙い | 496件 | 2位 |
乗り物・自転車盗難 | 637件 | 5位 |
治安が良い・悪い場所
警察の管轄をもとにすると東京23区は77地域に、江戸川区は3つの地域に分けられます。77地域の犯罪の多さを色で示すと↓のようになります。
徒歩20分圏内で1年間に起きた凶悪・粗暴な犯罪件数の比較で、多い地域から 赤>>黄>>緑 となっています(クリックすると拡大します)。
人口・面積・その地域にある駅は↓のようになっています。
地域 | 人口 | 面積 | 駅 |
---|---|---|---|
尾久 | 6.6万人 | 3.3km2 | 赤土小学校前、熊野前、東尾久三丁目、宮ノ前 小台、荒川遊園地前、荒川車庫前 |
南千住 | 4.8万人 | 2.6km2 | 南千住、三ノ輪橋、荒川一中前 |
荒川 | 10.1万人 | 4.3km2 | 日暮里、西日暮里、三河島、町屋、新三河島 荒川区役所前、荒川二丁目、荒川七丁目 町屋駅前、町屋二丁目 |
犯罪は面積が広い地域ほど起こりやすい傾向があります。面積が広い → 人口が多い → 犯罪が起きやすいという関係があるからです。その地域の治安の良い悪いを判断するには、他の地域と同じ基準で比べる必要があります。
生活する上で気になるのは、あなたの行動範囲の中で犯罪に出合ってしまう確率ですよね。そこで地域ごとの広さの基準を同じにして、徒歩圏内の犯罪発生率に換算して治安を比べます。歩く速度を4km/hとすると徒歩20分でいけるエリアは約5.6km2。その中で1年間に発生した犯罪件数の多さで治安の良い・悪いを比べると↓のようになります。
地域 | 凶悪・粗暴事件 発生件数 | 徒歩20分圏内 換算 | 事件の少なさ 23区77地域中 |
---|---|---|---|
尾久 | 42件 | 73件 | 45位 |
南千住 | 40件 | 87件 | 51位 |
荒川 | 112件 | 144件 | 61位 |
凶悪・粗暴事件:殺人、強制性交・わいせつ、傷害、暴行、恐喝・脅迫、強盗の合計
治安の良い悪いを判断する方法には、人口を基準にして犯罪発生率を比べる考え方もあります。しかしこの考え方では「犯罪が少ない地域はどこか?」という問いに正しく答えることはできません。
例えば都心のオフィス街はそこに住む人口が少ないです。そのため人口を基準にした犯罪発生率はダントツで高く見えます。しかしオフィス街だけで犯罪が日々多発しているような現実は無く、むしろ繁華街のほうが起きやすいです。
地域の治安を正しく知るには、地域を区切って広さの基準を合わせたほうが適切です。犯罪が起きやすい地域に足を踏み入れたくないのなら、その地域の人口を考慮しなくても判断できる比較方法のほうが適切です。
それぞれの地域について、治安がどう変化しているか・どんな種類の事件が起きやすいか、詳しく解説していきます。
地域別 治安の推移、事件ごとの件数
尾久
駅でいうと赤土小学校前、熊野前、東尾久三丁目、宮ノ前、小台、荒川遊園地前、荒川車庫前がある地域です。凶悪・粗暴事件の発生件数は↓のように推移しています。
大きな増減があるものの、中期的にみれば横ばい傾向です。事件ごとに詳しく見ると↓のようになります。
事件 発生件数 | 凶悪・粗暴事件 発生件数 | 徒歩20分圏内 換算 | 事件の少なさ 23区77地域中 |
---|---|---|---|
殺人 | 0.8件 | 1.4件 | 61位 |
強制性交・わいせつ | 5.4件 | 9.3件 | 52位 |
傷害 | 15件 | 25件 | 45位 |
暴行 | 21件 | 36件 | 44位 |
恐喝・脅迫 | 4.0件 | 6.9件 | 50位 |
強盗 | 0.8件 | 1.4件 | 23位 |
侵入窃盗・空き巣 | 24件 | 42件 | 38位 |
非侵入窃盗 置引き・車上狙い | 167件 | 287件 | 41位 |
乗り物・自転車盗難 | 244件 | 419件 | 51位 |
東京23区77地域で比べるといろいろな事件の数がやや多い地域です。
南千住
駅でいうと南千住、三ノ輪橋、荒川一中前がある地域です。凶悪・粗暴事件の発生件数は↓のように推移しています。
増減がありつつも増加傾向といえます。事件ごとに詳しく見ると↓のようになります。
事件 発生件数 | 凶悪・粗暴事件 発生件数 | 徒歩20分圏内 換算 | 事件の少なさ 23区77地域中 |
---|---|---|---|
殺人 | 0件 | 0件 | 1位 |
強制性交・わいせつ | 2.6件 | 5.7件 | 27位 |
傷害 | 18件 | 38件 | 57位 |
暴行 | 17件 | 36件 | 43位 |
恐喝・脅迫 | 3.4件 | 7.4件 | 52位 |
強盗 | 1.8件 | 3.9件 | 69位 |
侵入窃盗・空き巣 | 17件 | 37件 | 29位 |
非侵入窃盗 置引き・車上狙い | 138件 | 301件 | 45位 |
乗り物・自転車盗難 | 213件 | 463件 | 57位 |
東京23区77地域で比べると事件の数がやや多い地域です。とくに多いのが強盗です。
荒川
駅でいうと日暮里、西日暮里、三河島、町屋、新三河島、荒川区役所前、荒川二丁目、荒川七丁目、町屋駅前、町屋二丁目がある地域です。凶悪・粗暴事件の発生件数は↓のように推移しています。
事件数は減少傾向となっています。事件ごとに詳しく見ると↓のようになります。
事件 発生件数 | 凶悪・粗暴事件 発生件数 | 徒歩20分圏内 換算 | 事件の少なさ 23区77地域中 |
---|---|---|---|
殺人 | 1.2件 | 1.5件 | 66位 |
強制性交・わいせつ | 9.4件 | 12.1件 | 60位 |
傷害 | 31件 | 40件 | 59位 |
暴行 | 69件 | 89件 | 66位 |
恐喝・脅迫 | 6.8件 | 8.8件 | 55位 |
強盗 | 1.8件 | 2.3件 | 50位 |
侵入窃盗・空き巣 | 56件 | 72件 | 60位 |
非侵入窃盗 置引き・車上狙い | 340件 | 438件 | 57位 |
乗り物・自転車盗難 | 404件 | 519件 | 64位 |
東京23区77地域で比べるといろいろな事件の数が多い地域です。いろいろな事件に備えた防犯対策が必要です。
町別 凶悪・粗暴事件数、犯罪率
どの地域の治安が良いのか・悪いのか、具体的な町名レベルでもっと詳しく紹介します。
参考までに、人口あたりの犯罪発生率も紹介しています。犯罪発生率1%とは、100人のうち1人が犯罪に巻き込まれているということです。
ただし人口はその町に住んでいる人の数(常住人口・夜間人口)と、通勤通学の移動により昼間その町にいる人の数(昼間人口)、2つの合計を分母にしています。犯罪は昼夜問わず起きる可能性があるからです。
一定の面積の中で、1年間に発生する凶悪・粗暴事件の数が少ない地域は↓です。
町名 | 凶悪・粗暴事件 発生件数 | 1km2圏内 換算 | 常住人口 (夜間人口) | 昼間人口 | 犯罪発生率 |
---|---|---|---|---|---|
南千住 | 34 | 13.4 | 46256人 | 38434人 | 0.04% |
東尾久 | 23 | 15.2 | 26897人 | 20390人 | 0.05% |
荒川 | 23 | 15.4 | 32081人 | 28622人 | 0.04% |
町屋 | 24 | 18.2 | 29233人 | 23356人 | 0.05% |
西尾久 | 25 | 21.2 | 25090人 | 22012人 | 0.05% |
東日暮里 | 26 | 24.3 | 28903人 | 31284人 | 0.04% |
西日暮里 | 39 | 35.5 | 23804人 | 29904人 | 0.07% |
荒川区の中で凶悪・粗暴事件が少ないのは南千住です。南千住は荒川区の中では面積が広い町です。事件数は多いものの広いエリアの中で分散して起きているので、一定の面積あたりの事件数としては少なくなります。
逆に、一定の面積の中で1年間に発生する凶悪・粗暴事件の数が多い地域は西日暮里、西日暮里駅周辺の地域です。住んでいる人も多いですが地域外から訪れる人も多く、たくさんの人が入り乱れる地域ともいえます。
事件の数は南千住と大差ないですがそれが半分以下の面積の中で起きています。事件に遭遇する確率が高いことが分かります。人口あたりの犯罪発生率でみると、西日暮里にいる人(住人+来訪者)1万人のなかで7人が凶悪・粗暴事件に巻き込まれていることになります。
最新の犯罪発生情報
警視庁では最新の犯罪発生情報を「本日 ○時ころ ○○区○丁目付近で」というレベルで発信しています。犯人・不審者の特徴、使用された車両などの詳しい情報もあります。
最新のタイムリーな犯罪発生情報を知りたい人はご覧ください。
荒川区の防犯対策
安心できる暮らしを手に入れるには、その自治体がどのような防犯対策をしいているかも重要です。代表的な防犯対策を紹介します。
住まいの防犯対策補助金
住まいの防犯対策のため防犯対策品の購入・住宅設備の修繕をした場合、費用を一部補助しています。
防犯啓発指導員の派遣
町会やグループ単位で防犯に関する勉強会を実施する場合、区から防犯啓発指導員を派遣しています。
暴力団排除条例
区民の安全で平穏な生活、事業活動の健全な発展のため暴力団排除条例を制定しています。
→ 暴力団排除条例
安全・安心パトロールカー
青色灯を点灯させた区のパトロールカーが、通学路の巡回を行ったり、公園・駅周辺の繁華街・犯罪の多発している場所を中心に巡回しています。
毎日安心できる暮らしを手に入れるため、治安とあわせて気になるのが災害です。荒川区で地震災害に強い街 もあわせてご覧ください。地震災害のリスクが低い地域はどこか、町丁レベルで詳しく知ることができます。
ネット上には詳しいランキングを紹介しているサイトがあります。お子さんの将来も見すえて住む地域を考えたい人は↓のランキングが参考になります。学区ごとの年収平均が載っているので、小学校ごとの学力の高さを推測できます。
ベスト1はすぐ見ることができます。2位以降のデータを見るには会員登録が必要です。名前・メールアドレス・住所などの入力が必要ですが、1分程度で完了します。登録は無料です。
会員登録するとさらに「東京23区 駅ごと 認可保育園の待機児童が少ない駅ランキング」も見れるようになります。お子さんの将来のため、今ひと手間かけてみてはいかがでしょうか?
まとめ
荒川区の治安について詳しく紹介しました。あなたやご家族が安心して暮らせる街はどこか。それを知るには正しい情報を手に入れる必要があります。当サイトでは警視庁の統計データをもとにしています。ぜひ参考にしてください。
マンションくらし研究所では東京23区のさまざまなランキングを紹介しています。統計データを元にしているので東京の街のリアルを正しく知ることができます。あわせてご覧ください。