賃貸物件の初期費用、敷金礼金の相場は家賃何ヶ月分?調査結果まとめ

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賃貸物件を借りるときに気になる初期費用。新たに賃貸物件に住むにはまとまったお金が必要になりますよね。なかでも気になるのは敷金・礼金ではないでしょうか?

敷金・礼金は物件ごとに「家賃の◯ヶ月分」と決まっています。引っ越し費用や生活家電・家具などとは違って、あなたの努力やガマンで安く抑えることはできません。

その定められた敷金・礼金、一般的に何ヶ月が相場なのか気になりませんか?敷金・礼金が安いのはどんな物件なのか気になりませんか?実際の賃貸物件データを分析して紹介します。

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敷金・礼金とは

敷金・礼金とは、賃貸マンションや賃貸アパートを借りるときに初期費用として支払いが必要なお金です。

敷金

日々普通に生活していても部屋は汚れたり破損したりしていきます。壁紙が汚れたり日焼けしたり、壁や備え付けの家具が破損したり。。賃貸物件はオーナーから借りているものなので、部屋を出るときはそれらを元の状態に戻さなければいけません。

そのための備えとして支払うのが敷金です。保証金と呼ばれる場合もあります。退去のとき、汚れや破損を治す費用はここから出されます。費用が少なくすんだ場合は残ったお金が返却されます。

礼金

賃貸契約をしたときにお礼として支払うお金です。お礼といいながら金額が決められているのは変な感じですが、賃貸物件の契約では昔からの慣習となっています。オーナーへのお礼という位置づけなので戻ってくることはありません。

敷金・礼金ともに、家賃の◯ヶ月分というように家賃を基準にして決められているケースがほとんどです。賃貸物件で毎月払うことになる家賃+管理費。そのうち家賃の何倍かを初期費用として払う必要があるのです。

敷金・礼金ごと物件数の比較

物件ごとに決められている敷金と礼金。家賃の何ヶ月分が普通なのでしょうか。相場を知るため賃貸物件サイトSUUMOに掲載されている物件を調査をしてみました。

調査対象は住みたい街ランキングの上位にランキングしている恵比寿と吉祥寺です。恵比寿には1,250件、吉祥寺には3,000件の賃貸物件がありました(2017年12月時点)。

敷金・礼金が何ヶ月分なのか、物件がいくつあるのかをグラフにすると↓のようになります。まずは恵比寿です。

敷金・礼金ごと物件数_恵比寿

敷金・礼金ともに家賃の1ヶ月分という物件が一番多いことが分かります。敷金が1ヶ月分の物件は約800件、礼金が1ヶ月分の物件は約900件です。物件の2/3以上は敷金・礼金ともに家賃の1ヶ月分、合わせて2ヶ月分の初期費用が必要ということです。

礼金が0の物件は約300件ありました。全体の約23%です。礼金は支払ったら手元に戻ってくることはありません。なるべく安いほうがいいと考える人が多いと思います。4件に1件くらいの割合で礼金ゼロの物件に巡り合うことができそうです。

続いて吉祥寺です。

敷金・礼金ごと物件数_吉祥寺

ほとんど同じグラフの形をしています。敷金が1ヶ月分の物件は約2,400件、礼金が1ヶ月分の物件は約2,000件です。恵比寿の場合と同じく物件の2/3以上は敷金・礼金ともに家賃の1ヶ月分ということです。恵比寿も吉祥寺も同じような傾向であることが分かります。

あえて傾向の違いを挙げるのなら敷金が2ヶ月の物件の割合です。恵比寿は約300件・25%ありましたが吉祥寺は約150件・5%しかありません。

理由としては高級賃貸物件が考えられます。恵比寿の敷金2ヶ月の物件には家賃100万円以上の高級物件が多数あります。高級物件ほど破損のリスクが高いため敷金が高くなる傾向があるのだと予想できます。

敷金・礼金が高くなる物件の特徴

物件全体をみると敷金・礼金ともに家賃の1ヶ月分の物件が多いことが分かりました。いっぽうで家賃が高いと敷金が高くなる傾向も一部見えました。

それでは家賃・築年数・駅からの徒歩距離など、物件の条件が変わると敷金・礼金はどのように変わるのでしょうか?物件の条件と敷金・礼金との関連性を調査します。

調査結果を分かりやすくするため、これ以降は敷金+礼金の合計を見ていきます。

家賃ごとの比較

横軸を家賃、縦軸を敷金+礼金として、物件の数を円の大きさで表すと↓のようになります(1.5ヶ月などの端数は2ヶ月へと切り上げています)。

敷金・礼金と家賃との関係性

家賃が高くなると敷金+礼金が多くなっていく傾向が見えます。家賃4~6万円だと敷金+礼金の平均は1.3ヶ月分ですが、家賃6~8万円だと1.6ヶ月分、家賃8~10万円だと1.7ヶ月分、家賃10~12万円だと1.8ヶ月分となっています。

家賃が高くなると、家賃の◯ヶ月分という数字も大きくなっていく傾向があります。つまり初期費用が2重に高くなっていってしまうということです。初期費用をなるべく安く抑えたいのなら家賃が安い物件を探すとよいでしょう。2重の費用低減効果が期待できます。

築年数ごとの比較

続いて築年数ごとの比較です。

敷金・礼金と築年数との関係性

築年数が変わったとしても敷金+礼金の平均はあまり変わりません。どんな築年数の物件であっても敷金+礼金の平均は1.8~2.0ヶ月分です。

あえていうなら築年数が古くなるほど敷金+礼金が少しだけ高くなる傾向が見えます。築年数0~1年だと敷金+礼金の平均は1.8ヶ月分ですが、築年数12~13年だと敷金+礼金の平均は2.0ヶ月分です。

築年数が古い物件であれば修理にかかる費用も高くなるので敷金が高くなると想定できます。築年数が古い(=条件の悪い)物件だからといって必ずしも初期費用が安いわけではないというのは意外な発見です。

そんな緩やかな右肩上がり傾向のなかでも、築15年を超えると敷金+礼金はガクッと下がります。物件の条件が悪いので初期費用を抑えて割安感を出さないと借り手がつきにくいと考えられます。初期費用を安くしたい人には狙い目かもしれません。

徒歩距離ごとの比較

続いて徒歩距離ごとの比較です。

敷金・礼金と徒歩距離との関係性

徒歩距離の場合も、敷金+礼金の平均はあまり変わりません。どんな徒歩距離の物件であっても敷金+礼金の平均は1.8~2.1ヶ月分です。

あえていうなら徒歩距離が増えるほど敷金+礼金が少しだけ安くなる傾向があります。その傾向がより強いのが礼金です。物件の条件が悪くなって借り手がつきにくくなる分、礼金を安くして割安感を出していると想定できます。

賃貸物件の初期費用として必要な敷金と礼金。物件オーナーや不動産屋の立場からみると値段を調整しやすいのは礼金であると推測できます。敷金と礼金とでは、値下げ交渉できる可能性に違いがあるということです。

まとめ

賃貸物件を借りるときの初期費用のなかで大きな割合をしめる敷金・礼金。相場は何ヶ月なのか、どんな物件条件によって変わってくるのかを紹介しました。

敷金は、経費としてかかるコストに対して金額設定されている性質上、値下げ交渉は難しいかもしれません。しかし礼金なら交渉の余地があるかもしれません。参考にしてみてください。

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