東京で空き家が多い・密集している・腐朽した空き家が多い地域とは?


最近ニュースで耳にすることが多くなってきた空き家問題。昨今の日本では空き家が増加していて問題視されはじめています。東京も例外ではありません。

そこで、東京都のなかで空き家が多い地域はどこなのか調査します。単純に空き家であるというだけでなく、腐朽・破損など問題がありそうな空き家の数も調査します。空き家活用に積極的に取り組むべき地域はどこなのかが分かります。

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空き家の定義とは

総務省 統計局では住宅・土地統計調査を5年ごとに実施しています。そのなかで空き家は居住世帯のない住宅、つまり誰も住んでいない住宅と定義されています。さらに住んでいる人がいない理由によってさらに4つに分けられています

二次的住宅

別荘やセカンドハウスなど、ふだん住んでいる人がいない住宅です。週末・休暇など一時的に使用するものの、住んでいるとは言えないので分類上は空き家とされています。

賃貸用の住宅

賃貸物件として貸し出す予定で、借主を探している住宅です。

売却用の住宅

売却物件として売り出す予定で、買い主を探している住宅です。

その他の住宅

どれにも当てはまらない住宅です。上記3つと大きく違うのは管理されていない可能性がある点です。定期的に誰かが寝泊まりするわけでも、近い将来誰かが住むわけでもありません。

人が住む家であれば、快適に暮らすために維持・管理が行われます。老朽や破損を修理・予防したり、動物や虫が住みつかないようにしたり、草木の手入れをしたりします。また定期的に人の出入りがあることによって不法侵入や放火などの犯罪を遠ざけることができます。

人が住まないということはこれらを行う理由が無いということです。その住宅や周辺に害を与えるリスクが高まるということです。これこそが空き家問題の根幹です。

本記事においては空き家問題の実態を知るため、調査対象は「その他の住宅」とします。また住居形態は木造一戸建てとします。ニュースで取り上げられる機会が多く、世間の注目も高いと考えられるからです。これらの前提で、東京の市区の空き家軒数を調査していきます。

東京 市区別 空き家の件数

東京都の空き家の数を市区別にすると↓のようになります(町村はデータが無いため集計していません)。総数は、木造一戸建て空き家の総数です。腐朽・破損ありは、そのうち外壁が落ちていたり、壁にヒビが入っていたり、かわらや雨どいが外れている空き家の数です。

それぞれの偏差値を計算してその平均値が多い順に並べています。偏差値とはざっくりいうと、平均を50として多い少ないを表現しているということです。

市区総数腐朽・破損あり偏差値
足立区3,5801,79076
八王子市4,3401,46076
世田谷区4,4401,00070
練馬区3,4501,17068
杉並区3,1501,08065
板橋区2,5401,21064
江戸川区3,81063063
墨田区2,2801,03061
北区2,66086061
葛飾区2,37097061
大田区2,31078058
品川区1,95080057
町田市2,13070056
豊島区1,50066053
小平市1,36056051

引用元:統計局 住宅・土地統計調査

一番多いのは足立区という結果になりました。空き家が一番多いわけではありませんが、腐朽・破損している数が多いため一番になっています。同じくらい多いといえるのが八王子市です。総数、腐朽・破損ありともに多い地域であるといえます。

木造一戸建て空き家の多さを地図上に色で表すと↓のようになります。東京都の平均くらいを黄色、多くなるほど赤を濃くしています。


東京の空き家_木造一戸建て_軒数

東京23区の外側をぐるっと囲むように赤・オレンジになっています。東京23区の外側が多い傾向があるということです。空き家問題というと都市部より郊外のほうが深刻というイメージがあるかもしれません。しかし東京都の実態をみると都市部のほうが多いのです。

理由としては、そもそもの家の数が都心部のほうが多いからだと考えられます。一軒家に生まれ育ったけれど、その家を継ぐのではなく新しい家に移り住む、そんな人が多いのだと考えられます。

空き家の数が多いことで懸念されるのは行政対応です。2015年、空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されました。これにより倒壊などの危険性がある空き家に対して、行政が撤去や修繕を命じることができるようになりました。

自治体は危険な空き家が無いか調査したり勧告・命令の対応をしなくてはいけません。空き家の数が多いとその対応も増えてしまいます。

東京 市区別 空き家の密集度

先ほどの地図を見て気づくことがあります。面積の大きい市区ほど空き家が多い傾向があるということです。面積が大きければ家も多くなり、空き家も多くなりやすいです。

そこで面積の大小という要素を除外して空き家の多さを比べてみます。1km2あたりにどれだけ空き家があるのか、その密集度を算出すると↓のようになります。

市区1km2あたり腐朽・破損あり偏差値
墨田区165.674.883
台東区124.651.469
豊島区115.350.768
荒川区156.534.468
北区129.141.767
板橋区78.837.659
品川区85.435.059
杉並区92.531.758
目黒区92.730.758
西東京市75.633.057
文京区79.731.957
足立区67.233.656
中野区93.621.855
葛飾区68.127.954
練馬区71.824.353
小平市66.327.353
中央区51.931.353
新宿区57.628.052
東村山市61.826.352
武蔵野市62.824.652
世田谷区76.517.251

引用元:統計局 住宅・土地統計調査

一番密集しているのは墨田区という結果になりました。腐朽・破損ありの空き家は、2位の台東区と比べて約1.5倍にもなっています。先ほどと同じように地図上に色で表すと↓のようになります。


東京の空き家_木造一戸建て_密度

東京23区の北側に赤・オレンジが固まっています。東京23区の北側は密集度が高くなる傾向があるということです。墨田区、台東区、豊島区、荒川区といった面積の小さな区に木造一戸建て空き家が密集しているのです。東京都の空き家は郊外よりも都市部に多いことが改めて分かりました。

空き家が密集していることで懸念されるのは景観の悪化や治安です。生活圏内に空き家がたくさんあるのを心地よく感じない人もいると思います。

まとめ

木造一戸建て空き家について、東京市区ごとに比べて多いのはどこなのかを紹介しました。空き家問題は郊外の人口減少地域で起きているというイメージがありますが、実際のデータをみると都市部のほうが多いことが分かりました。

様々な活用方法が検討されている空き家。多くの人にとって便利で快適な、新たな取り組みが広まってほしいものです。

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