エンゲル係数とは?家計調査から分かったエンゲル係数の推移と目安


毎月何にいくら使っているのか生活費を見直すときに気になるのがエンゲル係数です。意味を正確に知らなくても、言葉の響きくらいは聞いたことがあると思います。

エンゲル係数とは何なのか、生活費の中でどのような意味を持っているのかを解説します。

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エンゲル係数とは?

エンゲル係数とは、経済学者のエンゲル氏が考案した経済指標です。

エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める飲食費の割合のこと。ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲルが1857年の論文で発表した。

引用元:Wikipedia

消費支出にしめる食費の割合をパーセントで表したものです。エンゲル氏の論文によると、この係数が高いほど生活水準が低いとされています。食費の割合が高い=生活水準が低いということです。

アメリカの心理学者マズロー氏は人間の欲求の強さは5段階に分けられると言っています。この中で食事は最も強い欲求であるとされています。人間が生きていく上で欠かせない、絶対に必要なことであるということです。

どんなに収入が低い人であっても食事はします。生活費で食費は必ずかかります。この割合が高い=その他に消費できる余裕が無いということなので、生活水準が低いとされているのです。

日本のエンゲル係数の推移

日本のエンゲル係数はどれくらいなのでしょうか?家計調査を元に、1963年~2016年までのエンゲル係数の推移を表すと↓のようになります。

エンゲル係数の推移

1960年代といえば↓のような出来事がおきていた時代です。

・日米初のテレビ中継実験成功
・東京オリンピック開催
・東海道新幹線開通
・三種の神器「車、カラーテレビ、クーラー」

この時代のエンゲル係数は約36%です。消費支出のうち1/3以上も食費に使っていたということです。あなたの毎月の支出のうち1/3も食費に使うというのは想像できるでしょうか?

最近はどうなのでしょうか?2016年のエンゲル係数をみると約24%、1/4以下になっています。「エンゲル係数が高い=生活水準が低い」というのが正しいとすると、今は昔に比べてとても生活水準が上がったのだと言えます。

年収の多さとエンゲル係数の比較

食費の割合が高いと生活水準が低い、という説明を聞いてしっくり来ない人もいると思います。食費にお金をかける=贅沢ができている、つまり生活水準低いとは言えないのでは?と思う人もいると思います。

そこで年収の多さとエンゲル係数の関係を見てみたいと思います。年収の多さごとにエンゲル係数の推移を表したのが↓のグラフです。年収の多い少ないを5段階に分けて、多い順からⅤ、Ⅳ、Ⅲ、Ⅱ、Ⅰとグループ分けしています。

年収別エンゲル係数の推移

どの年でも、エンゲル係数は年収の多いⅤグループが低く、年収の少ないⅠグループが高くなっていることが分かります。一般的に年収が多いほうが生活水準が高いと考えられます。なので生活水準が高い=エンゲル係数が低いという、エンゲル氏の理論は正しいと言えそうです。

年収ごとのエンゲル係数推移でもう一つ気づくことがあります。年収が低いグループほどエンゲル係数が不安定だということです。

Ⅰグループは、1986年 30%、2008年 24%、2016年 27%と、上下の幅は6%もあります。いっぽうⅤグループを見てみると、は1985年 22%、2000年 19%、2015年 22%と、上下の幅は3%しかありません。ⅠグループはⅤグループの2倍も変動しやすいのです。

このことから、年収が低い人ほど時代の変化に影響を受けやすく、生活水準が安定していないということがわかります。2012年以降、全体的にエンゲル係数が上昇して生活水準が下がっている中で、Ⅰグループが最も影響を受けている点からもこのことが分かります。

エンゲル係数の目安

もしかしたら食費にお金を使いすぎているかも?と心配な人もいると思います。目安として2016年の年収別のエンゲル係数を紹介します。

家計調査によると、年収ごとのエンゲル係数は↓のようになっています。

年収エンゲル係数
449万円以下27.2%
449~582万円25.6%
582~722万円25.1%
722~903万円23.5%
903万円以上21.7%

毎月のやりくりや貯金に不安を感じている人は、一度エンゲル係数を計算してみてはいかがでしょうか?家計簿をつけてみて、食費÷消費支出で簡単に算出できます。

品目ごとのエンゲル係数

食費とひとくくりに言ってもいろいろな物があります。品目ごとに傾向はあるのでしょうか?エンゲル係数を、品目ごとに細く分けて見てみます。年収グループごと・品目ごとのエンゲル係数を算出すると↓のようになります。

品目別エンゲル係数

全体的な傾向としては、年収が高いⅤグループほど品目ごとのエンゲル係数も低くなっています。右肩下がりのグラフになっているのです。

しかし1つだけ大きく傾向が違うものがあります。それは外食です。外食だけ右肩上がりのグラフになっています。年収が高くなると生活費が高くなる傾向があります。なので例え外食の割合が同じだとしても金額は高くなります。それに加えて割合も高くなっているということは、年収が高くなると急激に外食費用が高くなっているということです。

2016年のデータだと、Ⅰグループの8,000円に対してⅤグループは22,000円、約3倍にもなっているのです。外食は食費の中で特殊な性質を持っているようです。ついつい外食が増えて食費が高くなってしまわないように注意が必要です。

まとめ

エンゲル係数とは、生活費の中で何を意味するのか、どれくらいが目安なのかを紹介しました。生活費がかかりすぎ!と思っている人は目安を参考にしてみてください。

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