東京23区・市部 待機児童問題 深刻度ランキング、待機児童率の推移


夫婦共働きや都市部の人口集中・核家族化を背景にして深刻化している待機児童問題。子供との明るい未来を築くためにとても悩ましい問題です。

待機児童問題の深刻さは地域によって大きく異なります。子供人口の増減や自治体の対策に差があるからです。子育てしやすい環境を求めて引っ越す人もいるくらいです。そこで東京23区・市部について待機児童問題が深刻なのはどこなのかランキングを紹介します。

待機児童を単純に数えるだけではその深刻さを測れません。地域ごとの人口の違いを考慮して比べる必要があります。そこで保育園に入りたいけど入れない、そんな人が何%いるのかでランキングしていきます。その地域に住むと何%の割合で待機児童問題の当事者になってしまうのか知ることができます。

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東京23区・市部 待機児童数ランキング

東京都では毎年、市区町村ごとの保育サービスの利用状況を発表しています。この就業前の児童人口、保育サービスを利用している児童数、待機児童数を元にランキングしていきます。

保育サービス・待機児童の定義

保育サービスとは、主に認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育のことです。

待機児童とは、保護者が保育所などに入所申請をしているけど入れていない児童のことです。認可保育所に入れずに、自治体が補助する認可外保育所を利用した場合は、国の定義により待機児童には含まれません。

東京23区・市部の待機児童数ワースト5

東京23区・市部、49地域で待機児童数が多いワースト5は↓です。

就業前児童数
(人)
保育サービス利用
(人)
待機児童
(人)
世田谷区44,31416,503861
目黒区12,9634,840617
大田区32,44113,388572
江戸川区34,86511,800420
府中市13,9075,536383

引用元:東京都 保育サービス利用状況(2017年)


待機児童の数だけを単純にみると、多い順に世田谷区、目黒区、大田区となっています。

でも表を見るとあることに気付きます。地域によって就業前の児童数が大きく違うということです。そもそもの子供の数が多いと、とうぜん待機児童の数も多くなる傾向があります。

子育てをする親の立場で知りたいのは「自分たちは待機児童問題で悩まされてしまうのか?」ということです。その実態を正しく知るには待機児童の数ではなく割合に注目すべきです。

認可保育園は、あなたの家庭状況をポイント化した保育指数によって入りやすさが大きく変わります。あなたのご家庭と周りとで優先度の比較になります。待機児童になってしまった人は何%いるのか、あなたの家庭状況だと上位何%くらいに入れそうか、その地域の待機児童問題の深刻さはその割合で比較する必要があるのです。

東京23区・市部 待機児童問題 深刻度ランキング

待機児童問題に悩まされる人

地域ごとの待機児童問題の深刻さを比べるには待機児童問題に悩まされている人が何%いるかを知る必要があります。子供がいるご家庭の、保育サービスに関する状況は↓の3パターンに整理できます。

利用している利用できていない
利用しなくていい
利用したい


パターン1は、保育サービスを利用しなくていいと考えているご家庭です。専業主婦だったりご両親と同居しているケースが考えられます。待機児童問題とは無縁の方々なのでランキングの集計対象からは外します。


パターン2と3は、保育サービスを利用したいと考えているご家庭です。そのなかで保育サービスを利用したいけど利用できない、待機児童状態で悩まされているのはパターン3です。

保育サービスを利用したいと考えている人(パターン2+3)のなかで待機児童(パターン3)になってしまった割合を待機児童率として、地域ごとの待機児童問題の深刻さをランキングしていきます。

東京23区・市部 待機児童率ランキング

保育サービスを利用したいと考えている人全体のなかで待機児童になってしまったのは何%なのか、待機児童率をランキングすると↓のようになります。

就業前児童数
(人)
保育サービス利用
(人)
待機児童
(人)
待機児童率
目黒区12,9634,84061711.3%
三鷹市9,6073,6162706.9%
中央区9,6744,3443246.9%
台東区7,5523,1492276.7%
府中市13,9075,5363836.5%
国立市3,3711,4721016.4%
中野区13,0065,5263756.4%
日野市9,3423,8862526.1%
小金井市6,0422,4221566.1%
調布市11,9314,9813125.9%
渋谷区10,3474,4022665.7%
狛江市4,0561,684985.5%
世田谷区44,31416,5038615.0%
稲城市5,0682,095974.4%
武蔵野市7,2302,7811204.1%
大田区32,44113,3885724.1%
西東京市9,4983,6811463.8%
立川市8,7413,8881453.6%
国分寺市5,8512,572923.5%
江戸川区34,86511,8004203.4%
荒川区10,0055,2731813.3%
町田市19,2237,5362292.9%
東久留米市5,4862,226672.9%
足立区31,05412,7123742.9%
多摩市6,5773,038832.7%
江東区26,98712,7583222.5%
墨田区11,9535,9441482.4%
港区15,2086,7371642.4%
清瀬市3,3961,383332.3%
東村山市6,6762,697642.3%
文京区11,2194,3791022.3%
小平市9,9643,856892.3%
品川区19,6749,5162192.2%
板橋区25,51512,2332311.9%
北区14,8467,430821.1%
八王子市24,25211,5061070.9%
葛飾区21,03710,585760.7%
あきる野市3,7051,836120.6%
武蔵村山市3,4681,913120.6%
昭島市5,5082,800170.6%
新宿区12,5506,147270.4%
青梅市5,3823,173120.4%
練馬区34,87114,643480.3%
杉並区24,81810,793290.3%
東大和市4,4292,13430.1%
福生市2,3211,40000%
羽村市2,5631,40000%
千代田区3,3641,51300%
豊島区10,5955,35000%

引用元:東京都 保育サービス利用状況(2017年)


東京23区・市部で待機児童率が1番高いのは目黒区です。保育サービスを利用したいと考えているご家庭の子供は約5,500人います。そのうち待機児童となってしまっているのは617人、11.3%です。9人に1人は待機児童になってしまうということです。

待機児童の数が1番多かった世田谷区ですが、待機児童率でみると13位となっています。待機児童の数は目黒区の1.4倍ですが、保育サービスを利用できている人は3.4倍もいます。待機児童率は5.0%、20人に1人です。数ではなく割合で比較することでその実態が見えてきます。

保育園の受け入れ数や希望者数は子供の年齢によって変わります。競争状況によって待機児童率も上下します。ランキングの待機児童率は就業前児童数の平均として参考にしてください。

東京23区・市部 待機児童率 5年間の推移グラフ

待機児童問題で関心が集まるのが、その地域の自治体がどれだけ対策を推進しているかです。しっかり対策してくれる自治体であれば、待機児童問題だけでなく子育て支援全般に力を入れてくれることも期待できます。

そこで待機児童率の5年間の推移を紹介していきます。対策が追いつかず待機児童率が上昇しているのはどこか、しっかり対策して下げることに成功しているのはどこか分かります。

待機児童率が高い地域

まずは2017年 待機児童率ワースト5の地域です。

待機児童率_東京市区_高い


2017年の待機児童率ワースト5は目黒区、三鷹市、中央区、台東区、府中市です。ほとんどの地域が右肩上がりで上昇していることが分かります。なかでも目黒区が2017年に急上昇しているのが目立ちます。要因として考えられるのは待機児童の定義の見直しです。

厚生労働省は2017年3月 待機児童の定義を見直しました。それまでの定義だとカウントされていなかった↓のようなケース、いわゆる隠れ待機児童もカウントするようにしたのです。

  • 育児休業を終えて仕事に復帰したいが、保育園に預けられないので育児休業を延長した
  • 家の近くの保育園、兄弟同じ保育園など、特定の保育園に預けたいが預けられない

これにより、それまでの定義では322人だった目黒区の待機児童は617人になりました。希望どおりに保育園を利用できなくて悩まされている人が、実はたくさんいたのだと明らかになったのです。

待機児童率が上昇している地域

続いて5年間の上昇率が大きい地域です。

待機児童率_東京市区_増加


2013~2017年の5年間で待機児童率が大きく上昇したのは目黒区、台東区、国立市、渋谷区、中野区です。どの地域も2013年は2~3%でしたが、2017年には6%前後が多くなっています。5年間で2~3倍以上にも上昇しているのです。

待機児童率が減少している地域

5年間の減少率が大きい地域です。


待機児童率_東京市区_減少


2013~2017年の5年間で待機児童率が大きく減少しているのは豊島区、練馬区、武蔵野市、小金井市、東大和市です。豊島区、練馬区、東大和市は2013年は4~7%でしたが、2017年にはほぼ0%にまで減少しています。武蔵野市、小金井市は0%にはなっていないものの、5年間で5%ほど待機児童率が改善しています。

待機児童問題対策がウマくいっている地域

待機児童率が減少する要因は2つあります。待機児童問題の対策がウマくいっているか、そもそも児童の数が減っているかです。

待機児童問題は、児童数の増減と密接な関係があります。児童の数が増えているけど待機児童率は減っている、そんなところは待機児童対策がウマくいっている地域といえます。

そんな地域はどこかあぶりだすため、児童数・待機児童率の増加(5年間の平均)をグラフにします。横軸は児童数が何%増減しているか、縦軸は待機児童率が何%増減しているかです。


児童数増加率と待機児童増加率の比較


児童数が増えているにもかかわらず待機児童率が減少している、待機児童問題の対策がウマくいっているといえるのはグラフ右下です。豊島区、武蔵野市、小金井市、杉並区、新宿区、港区といった地域です。

児童数の増加にともなって待機児童率も増加してしまっている、待機児童問題の対策が追いついていないといえるのはグラフ右上です。目黒区、台東区、渋谷区、中野区、三鷹市といった地域です。


お子さんの将来も見すえて住む地域を考えたい人は↓のランキングが参考になります。小学校の学区ごとに年収平均が詳しく載っているので、パパ友・ママ友になるであろうご家庭の生活レベルや公立小学校の学力の高さを推測できます。

公立小学校の学区ごと 平均年収ランキング

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まとめ

東京23区・市部の待機児童の状況について詳しく紹介しました。家族との、子供との明るい未来を築くためには悩ましいことがたくさんあります。子育て環境を重視して引っ越す人もいます。大切なのはイメージや印象だけでなく、正しい情報や判断材料をもとに決断することです。ぜひ参考にしてください。

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