生活費の中で大きな割合をしめる食費。一人暮らしで生活費を上手くやりくりするには食費のコントロールが重要です。
みんな食費にいくら、収入の何%使っているのでしょうか? 詳しい内訳ごとに平均額を紹介します。あなたは使い過ぎなのか、目安を知ることができます。食費の節約方法も紹介します。外食、自炊など項目ごとに具体的な節約方法を知ることができます。
一人暮らしの食費平均
食費の平均額
統計局の家計調査によると、一人暮らし、34歳以下の食費 平均額は43,800円、1日あたりにすると約1500円です。これには自炊のための食材費、調理済食品(総菜・弁当・レトルト食品)の購入費、外食費などが含まれています。
食費は生活費の中で住居費と並んで出費が大きいものです。もし生活費を節約したいなら、食費を節約するのが効果的です。
食費の内訳
みんないったい何にいくら使っているのでしょうか? 詳しい内訳を見てみます。そこには節約のヒントがあります。
項目 | 金額 | 割合 |
米・パン・麺類 | 1,600円 | 3.7% |
魚介類 | 500円 | 1.2% |
肉類 | 1,000円 | 2.3% |
乳製品・卵 | 900円 | 2.0% |
野菜・海藻 | 1,200円 | 2.7% |
果物 | 300円 | 0.7% |
調味料 | 700円 | 1.6% |
菓子 | 3,000円 | 6.8% |
調理済食品 | 6,700円 | 15.3% |
飲料 | 3,600円 | 8.2% |
酒類 | 1,000円 | 2.3% |
外食 | 22,700円 | 51.8% |
食費のなかで大きな割合となっているのは外食です。友達・会社の人との飲み代、ファミレス・ファストフードでの食事などです。
外食の削減は食費節約の王道です。居酒屋の原価率は約30%だというデータがあります。居酒屋の料金には食材費の他に人件費・光熱費・店舗家賃などが含まれていて、原価の3倍支払っているということです。
外食ならではの楽しさはもちろんありますが、お金の節約だけを考えるなら外食は控えるべきです。自炊の習慣をつけたり、本当に必要な外食なのか冷静に考えたりしましょう。
食費の割合
食費の多さは収入によって違います。みんな収入の何割を食費にあてているのでしょうか?年収別に、毎月の収入(額面)と食費を比べると↓のようになります。
年収 | 100~ 200万円 | 200~ 300万円 | 300~ 400万円 | 400~ 500万円 | 500~ 600万円 | 600万円~ |
---|---|---|---|---|---|---|
月収平均 (額面・万円) | 13.1 | 20.8 | 29.0 | 36.4 | 44.9 | 67.8 |
食費 (万円) | 3.0 | 3.9 | 4.2 | 4.3 | 4.7 | 6.5 |
割合 | 23.2% | 18.8% | 14.6% | 11.7% | 10.5% | 9.6% |
グラフにすると↓のようになります。
日本の平均年収といわれる400~500万円の場合、毎月の給料(額面)の12%を食費とするのが平均的です。つい使いすぎてしまわないよう目安にしましょう。
食費割合の指標としてエンゲル係数というものもあります。収入ではなく、支出額をもとに食費の割合を考えるものです。詳しくは エンゲル係数の計算方法・年収別の平均と目安 をご覧ください。家計を見直すヒントが見つかるかもしれません。
一人暮らしの食費 節約方法
家計簿で見える化
具体的に節約行動をしていくためにまずオススメなのは家計簿をつけること、見える化することです。
食費という漠然とした考え方だと、目標が大きすぎて具体的に何をすればいいかイメージしにくくなります。食費の中身をザックリでいいので分解して考えるべきです。分類方法としてオススメなのが外食・中食・嗜好品・自炊です。
中食というのは家庭の外で調理された食品のこと、スーパーのお惣菜、コンビニの弁当、宅配サービスなどのことです。外食 → 中食 → 自炊、右にいくほど節約効果が高くなります。
さきほどの食費平均の内訳を当てはめると↓のようになります。
分類 | 金額 | 割合 | 具体例 |
---|---|---|---|
外食 | 22,700円 | 51.8% | 外食 |
中食 | 6,700円 | 15.3% | 調理済食品 |
嗜好品 | 7,600円 | 17.3% | 菓子、飲料、酒類 |
自炊 | 6,200円 | 14.2% | 上記以外 |
あなたの食費が高くなってしまう原因は何なのか、ザックリでいいので把握しましょう。改善すべきなのはどこか分かるので、具体的な行動につなげやすくなります。
家計簿アプリを使う
家計簿を習慣的に続けるために便利なのがスマホアプリです。レシートを撮影するだけで自動的に記録してくれます。レシートを見ながら1つ1つノートに記録・・なんて手間は必要ありません。
おすすめは家計簿アプリ利用率No1のマネーフォワードMEです。お店ごとだけでなく品目ごとに自動的に記録してくれるからです。
自動記録された品目ごとに、外食・中食・嗜好品・自炊どれにあたるか分類しましょう。自動的に集計してくれます。まずあなたが節約行動すべきはどれか知ることができます。
外食の節約方法
外食は食費のなかで大きな割合を占めるもの。食費を抑えるために重要なポイントです。いっぽう友達からのお誘いがあるなど、あなたの都合だけではいかないものです。外食費をうまくコントロールするコツを紹介します。
10日間ごとの予算で管理する
ついつい使いすぎてしまうのは、使い過ぎであることに気づけていない、適切なペースが保てていないからです。外食でどれくらい使っているのか日々把握できるようにしましょう。
まず外食用のサイフを用意しましょう。外食費はここからだけ出し入れするようにすることで、自然に手間なく外食費を管理できるようになります。統一的に管理することが重要なので、電子マネーではなく現金のほうが管理しやすいです。
次に10日間ごとの予算を決めましょう。1ヶ月という長い期間だとペース配分を把握しづいらいので細かく分けるのです。1ヶ月の目標を外食費平均である22,700円にする場合、10日間の予算はその1/3、7000円です。これが銀行から1回に引き落としていい金額になります。
もう1つルールを決めます。引き落としていいタイミングです。10日間ごとなので1~9日、10~19日、20~31日の3回です。引き落とし時には明細書を必ず財布に保管しましょう。前回いつ引き落としたかすぐ分かるようになります。
外食をしようかなと頭に浮かんだとき、外食用の財布の中身を確認します。お金が十分に入っていれば外食してOKです。
お金が足りない場合、前回 引き落とし時の明細書を確認します。例えば今日が25日で、前回引き落としが20日だった場合、引き落としてはいけません。外食はNGです。日付の10の位が同じだったらダメ、単純なルールなので守りやすいですよね。
友達から誘いがあった場合でも、誘いを断るのではなく少し先の日程を提案すれば角が立ちません。適切なペースを保つため、ちょっとしたルールを取り入れましょう。
中食の節約方法
タイムセールで安く買う
中食、お惣菜やお弁当で節約する方法はタイムセールで安く買うことです。多くのスーパーでは夕方から夜の時間にかけて残っているものを割引してくれます。賞味期限が近いものが多いですが、その日に食べるのであれば問題ありません。うまく活用しましょう。
一部を自炊する
1食の全てを中食に頼るのではなく一部を自炊するもの節約効果があります。例えば、おかずはスーパーやコンビニで買うけど米は自分で炊くといったカタチです。
米5キロは安くて2000円くらいから買えます。分量にするとお茶碗80杯分くらい、1杯あたり25円になります。いっぽう具なしのおにぎりを買うと1つ100円くらいします。4倍以上もするということです。一部でも自炊すると節約効果が高いことが分かりますよね。
例えば平日のお昼をコンビニで買っている場合、おにぎりを自炊するだけで1個あたり75円、1ヶ月で1500円の節約になります。米はネットでも買えるので重くて苦労することもありません。中食が習慣になっている人は一部を自炊することを考えましょう。
嗜好品の節約方法
メリハリをつける
あなたはラテマネーという言葉を聞いたことがありますか? 1回あたりの支出は少ないけど習慣的に使ってしまっているお金のことです。毎日なんとなくコーヒー店に通ってカフェラテを飲む習慣がある人は、1杯400円だとすると1ヶ月で12,000円、1年間で14万円以上も使うことになります。そんな様子を表した言葉です。
このような習慣が必ずしも全て悪いわけではありません。嗜好品は人生の充実感を得られるものでもあります。悪いのは「なんとなく」という部分です。習慣は繰り返すもの、小さな出費でも積み重なると大きくなります。
習慣的にお金を使っているものが無いか、毎日の行動を細かく振り返りましょう。毎朝 缶コーヒーを買っている、お昼後におやつを食べている、帰りにフラッとコンビニに寄ってしまう、、などです。
習慣的に使っているお金が見つかったら、1週間程度 意識的に辞めてみましょう。辞めても特に支障がないのであれば、それはあなたの人生を充実させるお金の使い方ではありません。
自炊の節約方法
節約に効果的なのは分かっている、でもなかなか続けていくのが難しいのが自炊ですよね。外食や中食は時間の節約、自炊はお金の節約ができます。うまくバランスをとることが大切です。自炊を上手に続けていくコツを紹介します。
一度にたくさん作り冷凍する
食材を安く手に入れる方法の1つがまとめ買いです。小分けになったものをちょこちょこ買うより、ある程度の量がまとめてパッケージされているものを買ったほうがコスパが良いです。
そのとき心配になるのが食材が余ってしまわないかということですよね。安く買ったとしても使わないままダメにしてしまうと無駄になります。
それを解決するのが一度に大量に作ることです。1食で食べきれない量だとしても作ってしまい、残った分は冷凍保存しておくのです。食材をコスパよく活用できるだけでなく、料理のストックができます。今日は疲れたからお惣菜や弁当、デリバリーにしちゃおうかな・・そんな時でもストックがあれば中食することなく節約できます。
電子レンジOKのタッパーを、同じサイズでいくつか持っておくと便利です。同じサイズであればピッタリ重ねて冷凍庫にしまえるのでスペースを有効活用できます。電子レンジOKであればそのまま温められます。作った日や料理名をマスキングテープなどに書いて貼っておくとさらに管理しやすくなります。
節約効果の高い食材で定番メニューを作る
節約効果の高い食材とは何なのでしょうか? そのヒントは年収別の食費内訳にあります。
人間はピンチの時ほどいろいろアイデアが出てきます。年収が低い人ほど食費の節約に真剣に取り組んでいるとすると、そんな人が多く消費している食材は節約に貢献している食材といえます。どんな食材なのか紹介します。
自炊を続けていくには飽きないことも大切です。安い食材だとしても料理のレパートリーが少なければ続けていくことが難しくなります。レパートリーの豊富さも合わせて紹介します。
項目 | 食費(外食以外)に占める割合 | レシピ数 | |
---|---|---|---|
年収 200~300万円 | 年収 500~600万円 | ||
米・パン・麺類 | |||
米 | 1.9% | 1.2% | 46.2万 |
乾うどん・そば | 0.2% | 0.1% | 5.7万 |
魚介類 | |||
かまぼこ | 0.2% | 0.1% | 1.9万 |
魚の缶詰 | 0.4% | 0.2% | 1.2万 |
野菜・海藻 | |||
しめじ | 0.2% | 0.1% | 10.5万 |
こんにゃく | 0.2% | 0.1% | 4.1万 |
果物 | |||
バナナ | 0.6% | 0.4% | 5.1万 |
米
食費の節約への貢献度が高いのが米です。炊飯器で米を炊くというのは自炊の基本中の基本ともいえます。多めに炊いて冷凍保存しておけば楽に節約習慣を送れます。お米専用の冷凍タッパーを使うと便利です。
乾うどん・そば
炭水化物が多くて主食にもなる うどん・そば。節約への貢献度が高いです。鍋でゆでるだけなので米を炊くより手軽なこともメリットです。家族での夕食には物足りないかもしれませんが、昼食や一人暮らしの食費節約に期待ができます。
かまぼこ
かまぼこは魚のすり身から出来ているのでタンパク質をたくさん含んでいます。食材そのもののクセが少ないので料理の量をかさ増しするのにも役立ちます。大人から子供まで幅広く好かれる食材でもあるので活躍してくれるでしょう。
魚の缶詰
ヘルシーで体に良いイメージの魚、手軽に食べれるのが缶詰です。キッチンが生臭くならない、長期間保存できるなどのメリットがあります。魚の缶詰を使ったレシピは実はたくさんあります。安売りしているときに買い込んでおけば節約に大きく貢献してくれるでしょう。
しめじ
一般的に食物繊維が多くてカロリーが低いきのこ。しめじは価格が安定していて一年中スーパーで買えるので節約の大きな味方です。レシピのバリエーションが多いのも魅力です。炒め物に、煮物に、スープに、幅広く活躍してくれるでしょう。
こんにゃく
ぷにぷにとした食感と食物繊維の多さが特徴なのがこんにゃくです。噛みごたえがあるので満腹感を得ることができます。和食や煮込み系の料理と相性が良いでしょう。
食費や生活費とともに気になるのが貯金です。ライフスタイルによって貯金額がどう変わるのか みんなの貯金額平均(年齢・年収・家族類型別)をご覧ください。あなたが目標とすべき貯金額の目安を知ることができます。
まとめ
一人暮らしの食費について、平均や節約方法を詳しく紹介しました。あなたは毎月いくら食費に使っていますか? まずは家計簿をつけるなど現状を正しく把握しましょう。
食費以外も含む、生活費全体の平均が気になる人は一人暮らしの生活費平均をご覧ください。あなたと同じような年収の人の生活費内訳はどうなっているのか分かります。今後も安心して生活していくための目安が何円か知ることができます。
生活費をウマく節約するコツは、出費が多い費目を知ること、そして順に対策を考えることです。一般的な生活費の内訳、見直すべき費目、具体的な節約方法を紹介しています。あわせてご覧ください。